開催レポート

2022 年 10 月 23 日、舞鶴市のコンベンションホールにて、ピティナピアノステップが終了しました。

今年は、98 名の参加者を迎え、海が一望できる会場で華やかに開催されました。

天気にも恵まれ、ホールロビーからの景色は抜群。
毎年恒例の演奏後のバラの花のプレゼントも好評を頂いています。

コロナ禍は引き続き、感染対策を施しながらも今年は様々に緩和され、多くの観客の皆様と共に温かな音楽の時間を過ごしました。

ステップの良い所は、アドバイザーの先生方の講評を聞けることです。
部の終わりに設けられた時間だけでなく、ステップ全体の総評が参加者の皆様にとっても、保護者の皆様にとっても大変有意義で実り多いものになったことは間違いありません。

今回の講評で印象的だったのは、豊かな音楽性を育むということです。
小さな子どもたちの想像力や好奇心は無限大です。
それを生かし、さらにはピアノの演奏において発揮させるにはピアノだけを弾いていても育たないということ。 音楽に心を揺らし、感動する気持ちを育ててあげるために。
ドビュッシーやラヴェルを弾くなら、フランスの絵画や作品を見てほしい。
曲の雰囲気が、ふと見た絵画のあの色合いや風合いと重なるような機会を与えてあげて。
それは、音楽のためでなく、知識や教養のためにもなり、その子自身の感性の礎にもなるということ。
当たり前のようで、一番大切な子どもたち自身の心の下地となる部分を教えて頂きました。

その他、ピアノを弾く際の姿勢についても、詳しくアドバイス頂き、
ピアノに座る際は、腰を伸ばして支え、肩甲骨を開いて、姿勢を良くすること
肩を下げて足は揃える必要はなく、前後に開く
グランドピアノの中の弦を見る気持ちで目線は前へ

肩が上がると、フォルテやピアニッシモがかすれたり、浮いてしまうので、日頃から鏡でチェックしたり、後ろ姿をスマホで撮影することをお勧め頂きました。
また、おうちや普段のレッスンで出来ることとしては、弾き終わるまでずっと肩を押さえてあげると良いとのこと、常々気を付けていかなければと感じています。

目線についても、曲が小さくても大きくても、鍵盤のみに目線が置かれていると、広がりのある演奏になりにくく、耳の使い方、こっちやあっちと、耳で聴く「方向」を意識することで、遠くから見える景色があるというお話も皆様頷きながら聞いておられました。
その際、楽譜との時間というものが特に大切で、ピアノに座っていない時間を大切に「目に入る音」だけを重視しないで、というお言葉が心に残っています。

今回、最終の部の一番最後の演奏がピアノとトランペットのアンサンブルでした。
今回の部のすべてがピアノの演奏であり、普段はなかなか聴くことのないであろう、迫力のあるトランペットの音色は、その場にいた皆様が感動され、演奏に聴き入っておられました。
こうして、ピアノ以外の楽器の演奏を聴くことの大切さもまたお話されて、ピアノに向き合うための多角的な視点を教えて頂く機会となったこと、非常に有意義な時間だったと感じています。

ステップは自分以外の演奏を聴ける大きな機会です。
時に、ピアノ以外の楽器の演奏を聴くこともあります。
また、大きな会場や観客の皆様に届けるといった、自分以外の他の視点を意識する場でもあります。
演奏を振り返り、反省し、改善し、また次に向かう。
そうして、自分だけのピアノの世界から飛び出せるチャンスでもあるのです。
このようなステージでの経験が参加者の皆様の心の栄養となり、今よりもさらに、曲に、ピアノに、自分の心に近づいていけるチャンスとなるかもしれません。
今後も、ステップの機会を活用し、ピアノを弾くことをさらに深めてもらえる機会となればと願っています。


最後になりましたが、今回アドバイザーを務めて頂きました、
多湖 千絵子先生
寺北 香苗先生
中村 美穂先生
ありがとうございました。


舞鶴支部 広報 尾松司織