開催レポート

2024年からスタートした「サロン型ステップ」。八丈島地区では町所有の約450人収容の可動式ホールを活用し、これまで大きなステージで開催してきましたが、今回はステージからピアノを下ろし、平土間のスペースでサロンをイメージしたフラットなステージを実現しました。参加者やアドバイザーは1階、観覧席は2階と空間を分けた形式で進行しました。

参加者は3歳から68歳までの41名。ステップは5部構成で行われ、1部は10:30開始。クラリネットとピアノ、アルトサックスとピアノのアンサンブルで幕を開けました。

ピアノの独奏をはじめ、恒例企画「おはなしとピアノ」も実施。大人の部では「うらしまたろう」を菊池みゆきさんが朗読、ロシアの作曲家カバレフスキーの小品が大人の参加者により演奏されました。最後は奈良井巳城先生の「みじかい物語」で締めくくられ、物語の切ない世界観が深まる演奏となりました。

奈良井巳城先生のトークコンサートでは、カバレフスキー「ロンド・トッカータ」やボロディン「ノクターン」「修道院にて」を披露。15分間という短い時間ながら、YAMAHA S6Bピアノから織成す豊かな音色に会場が魅了されました。

3部では子どもの部「ピーターパン」の朗読と演奏を実施。小学校2～4年の参加者7名が、物語の楽しい雰囲気を音で表現しました。

また、各部の講評では中西利果子先生と奈良井巳城先生によるユーモアあふれるトークが展開され、参加者ひとりひとりへのインタビューや質問コーナーで、和やかな時間が流れました。

奈良井先生からは「ピアノの響きが良く、ステージの新たな可能性を感じた」との感想をいただきました。これからも八丈島地区の音楽愛好者が自己研鑽できる場として工夫を重ね、地域の音楽活動を支えていきたいと思います。